住み慣れた自宅で過ごしたいという本人の意思を尊重し、在宅介護を選択する家族は少なくありません。しかし在宅介護は介護を行う家族に負担が重くのしかかってきます。
たとえば精神的な負担。認知症を患ってしまうと、何度も同じ話を繰り返したり、怒りっぽくなったり、徘徊するようになったりといった症状が出てきます。
これらの症状にずっと対応していると精神的に疲れてしまうのも当然のこと。こうして溜まったストレスを発散させようにも、介護を行っていると自分の時間が取れないことも多く、精神的に疲れてしまうのです。
また肉体的にも負担があります。要介護度が低いうちは見守るだけで良いですが、高くなってくると体を支えたり持ち上げたりしなければなりません。
夜間も介護が必要になり、十分に寝れなくなることもあるでしょう。体を休めることができず、疲労がどんどん溜まってしまうのです。
在宅介護はこのような負担がかかってしまうため、レスパイトケアの利用が推奨されています。レスパイトケアとは介護を行っている人が休めるサービスのことです。具体的には訪問介護やデイサービス、ショートステイなどがあります。
訪問介護はホームヘルパーが自宅に来て介護を行ってくれるサービスです。食事介助や排泄介助だけでなく、調理や掃除なども行ってくれます。同居している場合であっても利用することができますが、調理や掃除は介護を受ける人の分だけであるため、そのことを留意しておきましょう。
デイサービスは施設で日中の介護を受けられるサービスです。施設で介護を受けている間は介護を行う家族に自由な時間が生まれるため、体を休めたり趣味に興じたりすることができます。
ショートステイは泊まりで介護を受けられるサービスです。最大で30日間連続で利用できます。冠婚葬祭や出張などで数日間介護ができないときはもちろん、旅行に行きたい場合でも利用できるため、しっかりと疲れを取ることができるでしょう。